今回は「エコ」や「サステナブル」というキーワードについて触れたいと思います。
私が以前勤めていたアパレル企業では、この2つのキーワードが非常に重要な課題でした。アパレル業界においては、リアルファーの使用や過剰な在庫が長年にわたって社会問題となっており、その解決に向けた取り組みが求められています。
この問題に関して、アパレル企業がどのように責任を果たしていくべきか、私なりにまとめてみました。
アパレル業界が解決すべき課題
アパレル業界はかつて、リアルファーを使った商品を多く展開しており、特にラグジュアリーブランドで使用されていました。しかし、2010年代に入り、リアルファーの流通量が増加し、安価な商品にも使用されるようになりました。この流れに対して、動物愛護団体は強く反発し、原宿や渋谷の明治通り沿いでデモ活動を行うなど、社会問題として大きな関心を集めました。
これを受けて、アパレル企業はリアルファーの使用を減らし、代わりに「エコファー」といった化学繊維を使用した商品を展開するようになっています。この動きは素晴らしいものですが、そもそも「ファー」をファッションアイテムとして使用すること自体を再考し、よりサステナブルな素材への転換が必要だと感じます。
また、アパレル業界には過剰な在庫問題も存在しています。安価な労働力を利用した生産や、需要に対して過剰な量を生産するビジネスモデルが「ファストファッション」の背景にあります。これにより、売れ残った商品が焼却されるなどして、環境に悪影響を与えています。
サステナブルな対応策
例えば、ファストファッションブランドでは、低価格で流行を取り入れた商品を提供するために、生産コストを抑える必要があります。その結果、安価な賃金で働く労働者が使われ、過酷な労働環境で商品が大量に生産されるという問題が生じます。さらに、売れ残った商品は廃棄され、環境に深刻なダメージを与えています。
このような問題に対して、アパレル企業は生産過程で利益だけでなく環境にも配慮し、持続可能な在庫管理を実現する必要があります。また、フェアトレードなどの倫理的な生産体制を採用することで、労働者の権利を守りながら、環境にも配慮した商品作りが可能になります。
持続可能な未来への転換
ファストファッションが提供する手軽に流行を取り入れられる便利さは魅力的ですが、その生産背景を考えると、このままで良いのか?という疑問が残ります。消費者としても、企業としても、この問題に対して意識的に変化をもたらすことが大切です。
私たちがこの問題に向き合い、改善しようという意識を持ち続けることが、今後のアパレル業界の未来をより良いものにするために必要不可欠だと考えます。
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